人間が「同じものばかり食べ続けられない」脳科学的な理由

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お餅やみかんが美味しい季節。でも、さすがに同じものを朝昼晩3食ずっと食べて続けたら、1週間経つ前に飽きてしまいますよね? それがたとえどんなに美味しいものであっても言わずもがな。

過去に『美レンジャー』の「人間は“同じものを食べ続ける”と痩せることが判明!」で“同じものを食べ続けるダイエットはいい”とお伝えしましたが、しばらくするとどうしても飽きてしまうので、なかなか続けられないですよね……。

なぜ私たちはこのように、好きなものや美味しいものでも食べ飽きてしまうのでしょうか?

このメカニズムについて、フジテレビ系列『とくダネ!』のコメンテーターでもおなじみの女性脳科学者、中野信子先生に脳科学的に解説していただきました。

 

■脳で“馴化”という現象が起きてしまう

脳というのは、未知の刺激に対しては、大きく反応するのですが、同じ刺激が2度、3度と与えられると、それに対する反応がどんどん小さくなっていく、という性質があります。

これを、馴化といい、同じ刺激に対して脳が次第に活性化しなくなっていくことを指します。また、新しいものに対する反応には、快、不快、両方の側面があります。

 

■“飽き”は大切な脳のメカニズム

刺激に対する反応が鈍っていくと、快感も失われていくので、一般にこの現象を「飽き」といって、あまり良くないことのように捉えがち。でも、生体の機能という点からみてみると、実は、馴化はとても大切な現象です。

快感も確かに減りますが、不快感も同じように減っていきます。つまり、生体が、新しい環境や刺激に対して、過度に緊張感や恐怖感を持つことなく、冷静に対処できるようにするための、大切なメカニズムであるとも言えるのです。

 

■脳に新鮮な刺激を与えよう!

いつまでも同じ刺激に対して同じような強さで反応していると、脳は疲れてしまいます。飽きる、慣れる、というのは、脳の自己防衛システム。

でも、あんまり甘やかしていると、脳はどんどん鈍ってしまいますから、たまには新鮮な刺激をわざと与えて、自分の脳を目覚めさせてあげることを心がけていくと良いでしょう

 

■刺激を生み出す方法とは?

新鮮な刺激を与えるには、「もっと楽しくするには、どうすればいいんだろう?」と考えるだけでOK。潜在意識が、答えを出してくれますから。

そうやって自ら新しい楽しみを見つけた気づきは、他人からのどんな褒め言葉よりも嬉しく、快感をもたらします。こうすることで、仕事や勉強などのやる気や、継続のモチベーションまでも出てきます。

 

以上の話は、中野信子氏の著書『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)にも掲載されています。

この本には他にも、「周りにいる人たちを味方に変える」「やらないことリストを作る」など、脳と上手く付き合うことで、快適ライフを送るためのユニークな方法が満載。

脳のメカニズムは実に興味深いですね。気になる方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

【解明シリーズ】

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【取材協力】

※ 中野信子・・・東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。

2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所有者のみが入会できるMENSAの会員。現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。

学習法だけでなく、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析を得意とする。2012年10月よりフジテレビ系列『とくダネ!』にコメンテーターとして出演中。

 

【参考】

※ 中野信子(2012)『世界で活躍する脳科学者が教える!世界で通用する人がいつもやっていること』 アスコム