いじめや虐待を受けた子どもは細胞レベルで老化が加速すると判明

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深刻な社会問題になっている児童への虐待。それには、心理的、肉体的、性的な虐待、養育破棄が含まれ、日本では、児童相談所における児童虐待相談対応件数が、この20年で40倍になっています。

虐待を受けた子どもたちの心に刻まれた傷は、立ち直るまでに長期間を要し、そのダメージは計り知れないものです。

それだけではなく、これまでの研究では幼年期のストレスが病気のリスクや健康上の問題を増加させることを明らかにしてきました。

さらに、先日、アメリカの科学サイト『LiveScience』によると、暴力を受けてきた子どもは、ほかの子どもより細胞の老化スピードが速いということが分かったのです。

 

2種類以上の暴力で老化が加速

研究を行ったのは、デューク大学のポストドクター研究員イダン・シャラフ氏で、幼年期ストレスが、その後の疾病リスクや健康上の問題を引き起こすことはこれまでも報告されてきましたが、幼年期のストレスによる生物学的老化の加速性が立証されたのは初めてのこと。

シャラフ氏の研究グループは、生物学的老化を測定するため、テロメアと呼ばれるDNAの一部を検査しました。テロメアは染色体の末端にある保護構造で、細胞における時計のような役割を果たします。DNAが消耗するとテロメアは短くなります。

同グループは、1994年から1995年にかけて、5歳から10歳の児童を対象に236人のサンプルを採取。子どもたちの頬からDNAサンプルをとり、テロモアの長さを測定したのです。

母親たちの聞き取り調査から、家庭内暴力を経験している児童は17%、頻繁にいじめを受けている児童は24.2%、大人から身体的な虐待を受けたことのある児童は26.7%いることが分かりました。

さらに研究者たちは暴力の重度によりグループ分けを実施。その結果、暴力を受けたことのない子どもたちは54.2%、1種類の暴力を受けたことのある子どもたちは29.2%、2種類以上の暴力を受けている子どもたちは16.5%となりました。

DNA分析を行った結果、2種類以上の暴力を受けたことのある児童は、テロメアが短くなるスピードが著しく速いことが分かりました

健康状態や体重、性別や社会経済的地位を考慮しても、その違いは明らかでした。

 

■早死のリスクも高まる

カリフォルニア大学サンフランシスコ校で、ストレスと細胞老化の関連性を研究する、健康心理学者エリッサ・エペル氏は、「幼年期のトラウマが人に長期的なダメージを与えることが証明された」と言及しています。

「早い時期から、さまざまなストレスに晒されてきた児童は、免疫系の老化が進みやすい。そのダメージは、数十年とその後も影響を及ぼし続けるのです」

シャラフ氏は、細胞老化を食い止めることができなければ早死の危険リスクを高めると訴えています。ただし、栄養ある食事摂取、適度な運動や瞑想を心がけることで、これらを克服することができるそうです。

 

幼少期の虐待によるストレスは、心や身体を傷つけ、さらに、細胞レベルで大きな傷跡を残しているんですね。人間にとって生きていく土台をつくる幼少の時期は、大人とは比べ物にならないほど重要な時期だということが分かります。

 

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【参考】

※ Bullying, Child Abuse Hasten Aging in Kids – LiveScience